三浪の忘れ物サミット

世の中の忘れそうな、わざわざ考えるほどじゃないことだけ真剣に考える

三浪大学生が忠告したい浪人するメリット・デメリット

f:id:sanrouda:20190221091726j:plain

現役生や1浪の皆が浪人する意味やメリットについて考え始める時期になりました。

ただ、浪人のメリット・デメリットについて書かれた記事が、「これ大人が想像で書いたな」って感じるものも多いため、3浪の、いわばベテラン浪人を経て大学生になった僕が実感する浪人のメリット・デメリットを書きたいと思います。

浪人のメリット

理想を実現できる

浪人するほど望む大学がありその大学に行けた場合は、この上なく幸せです。僕の友達の2浪も早稲田受かった時に号泣していました。この努力して夢を叶えるという成功体験は、大学以降も自分で夢を実現していく第一歩となるため、何にも変えがたいメリットです。

大学でモテる

浪人は大学でモテます。大学に入ってこれを知って驚いたのですが、年上の大人っぽい人、内面的に成熟した男性を好む女子が結構多いです。

くだらないことで怒ったり、騒いだりしている現役生を見てがっかりしている女子も多いため、落ち着いており、キャパシティのある浪人生は、それだけで好印象を持ってもらえます。

ちなみに僕はさっぱりモテません。女の子に呼び出されて誰々とのキューピットになってほしいと依頼されるポジションばっかです。

なので、浪人したら女子と喋れないかも、などの不安は持たなくて大丈夫です。三浪の僕ですらそんな扱いは受けませんでした。モテるかはさておき。

成功すれば生涯年収UP

言わずもがなですが、難関大学に受かれば、就活での評価がそれだけで上がり、大手企業に入社できる可能性がぐっと高まるため、生涯年収は上がります。

venture-finance.jp

↑「お金のカタチ」というサイトで良い感じに大学別年収まとめて紹介されています。
なるほど。これだけ見ても例えば、早稲田と慶應では20代の平均年収ですら60万円の差があるようですので、年収の高さを第一に考えたい人は、早稲田ではなく慶應に行くべきですね。

このように大学での年収の差は明らかですので、年収にこだわる人は妥協しない方がいいです。


また、就ける職の幅を狭めずに済むというのもメリットだと思います。明確に就きたい職が決まっていない人は難関大学に行っておいたほうが、就きたい職が決まった時に希望が叶う可能性が高いです。

性格が優しくなる

現役で大学に落ちて自分に至らぬ部分があることを突きつけられ、それをしっかり受け止められた人は、一方で努力して結果を出せた人を心から尊敬できると思います。

また、足りない部分のある人に対しても、「至らぬ部分があって当然だ」と自分自身の経験から受け入れて心から共感することができるようになります。

したがって他者を下に見たり悪口言ったりせず、どんな人に対しても尊重し、親身になれると思います。

少なくとも僕は三年間自宅浪人する中で、社会の最底辺にいるという感覚になり、他者を一切否定しなくなり、受け入れられるようになりました。

これは副次的に得られる効果として、どんな性格悪い人見ても「あの頃の自分よりはマシだな…」という気持ちになり他者に怒りが生まれないという精神衛生上の得にもなってます笑

就活で挫折経験として語れる

就活では挫折経験を問われることが多いです。失敗や挫折経験のある人は、自己反省して課題点を分析、抽出し、施策を考えて改善に取り組んだ経験として高く評価されます。

この考え方は、ある種ビジネスの基本になっているため、その過程でどのような課題抽出やそれを改善しうる仮説を立て実行してきたかという点は、非常に重要視されます。

脳死状態で浪人しない限りは、就活でしっかり語ることができ、むしろ得すると思います。三浪の僕ですら、就活においては三浪が良い方向に作用していることが多いです。

メンタルが鋼になる

たいていのことでは気持ちが沈まなくなります。大体の悩みはどう転んでも人生詰みかけたりしませんから。

教養を学ぶ喜びが見えてくる

現役時代に上から下へ情報伝達のように高速で過ぎ去った高校の勉強と違って、ある程度ゆっくり自分発の疑問を深めていく勉学に励めます。そのため、初めて「なぜ?」を深めていく知的好奇心を軸にした本来の勉強をすることができ、教養の楽しさ、素晴らしさを感じられます

お金や、社会のステータスといった相対的、物質的価値尺度にとらわれていると、それには分配上限界があるため、大半の人は不幸を感じることになると思います。しかし、教養や知的好奇心を満たすことに価値を見出せる人になれたら、知的活動に分配上の限界はないため、全員が幸せになれます。

この社会的価値基準からの脱却、思想の発芽(および自分らしさの追究)にこそ、浪人する大きな意味があると僕は思います。

これは三浪した僕の辿り着いたある種の哲学ですが、こういった考え方に往々にしてなるのではないかと思います。

主体的に自分らしく人生を歩める人になる

予備校などにより多少異なりますが、24時間を自分でデザインする期間は老後かこの期間しかありません。つまり、現役生とは比じゃないほどの何千という選択を1日に迫られるのです。主体性をつけざるを得ません。

これは自分の行動の選択基準を作り上げていくということでもあり、それは言い換えると、自分らしさの醸成に他なりません。

「自分はどうすべきか」という自問と「自分はこうすべきだと思う」という自答を積み重ねていくことで、それまで人任せにしていた人生の全てを自分の責任の下、自分らしく歩めるようになっていきます。

浪人のデメリット

イジられる

「おじいちゃんw」とか言われます。そういったイジられキャラを楽しめるようになれない場合は、対人関係に精神的苦痛を感じるかもしれないです。

老化により現役のノリについていけない

現役生はほとんど義務教育の延長線上にいます。深く内省する機会のない子は、しばしば回りが見えないような言動もしうるため、もしかしたら、そのノリについていけず、「若いっていいな…」と悟る時が来るかもしれないです。

全落ちのリスクが大きすぎる

どこかに受かる保証があるわけではないです。全落ちした場合はまた浪人するか働くか、専門学校に行くかといった選択を迫られます。リスク管理として、浪人を始める際に万が一のことはしっかり取り決めておくべきです。

費用がかかる

浪人にかかる費用は、大手予備校で100万前後、全て合わせて140万円とも言われています。家計にもよりますが、この費用はかなり高いと考えるのが普通ではないでしょうか。

goukaku-suppli.com
合格サプリで比較されていますがやはり高いですね。。。

ただ、第一志望に受かればこのコストに見合うだけのリターンを望める場合が多いです。また、金銭的リターンは合格という結果に依存しますが、浪人のメリット、リターンは合格せずとも大いにあるため、親御さんとよく相談すべきです。

ちなみに僕は、浪人中バイトしつつ自宅浪人をして、極力親に迷惑をかけないよう努めていました。

何よりつらい、しんどい

人付き合いが好きな人や、他にやりたいことがある人にとって、勉強しなければ次の人生に進めない1年間は死ぬほど苦しいです。ただ、ちゃんとつらい、と思える人は努力している証拠でもあるので、自分をちゃんと褒めて自己肯定してあげることが大事です。

浪人中は他者の目線、客観を取り入れる時間が非常に少ないため、冷静さを欠き知らず知らずに自分を責めすぎて心が壊れてしまう人もいます。したがって、しっかり現状の自分を誇張することも卑下することもなく事実として受け入れてあげること、自己受容がとても大事です。

そのうえで、学力は客観的に認識したうえで、努力している自分のことを褒めて自己肯定すべきです。これにより自我を健全に保ちメンタルの崩壊を防ぐセルフマネージメントも、大事な受験勉強の一環です。

性格が歪む可能性もある

メリットとして性格が優しくなると書いた一方で、性格が歪んで悪くなる可能性もあります。

プライド高い人、現実逃避しがちな人は浪人で失敗した時、

  • 「オレはこんなもんじゃない。こんな大学のヤツらとは違う」
  • 「世の中が自分の良さを理解してくれない。世の中がクソだ。」

人のせいにして塞ぎこみます。
また、楽観的な人やサボリぐせのある人が、たまたま受かってしまった場合なども、努力せずに上手くいった成功体験を引きずり、その後の人生で失敗する傾向にあります。

慢心や現実的でないプライドは、受験だけでなく人間的成長を阻害するので禁物です。

親に心配させる

親御さんにめちゃめちゃ心労がかかります。生まれた頃から頑張って育ててきたわが子が、そのまま引きこもりニートになる可能性もある中で、浪人という何者でもない存在になるのは、親からすればとてつもない絶望と恐怖です。

大事な子どもだからこそ、そんなリスクを背負うくらいなら行ける大学にすぐ行ってほしい。どこでも十分幸せになれる、そう思うのが普通です。

ちなみに僕は三年間自宅浪人で本当に引きこもりニートになりかけていたので、母親のメンタルが崩壊しかけて風水などを信じ始めました。それを知った時は本当に自分だけの人生じゃないなと、親への感謝と申し訳なさと、大学に行って努力して幸せになった姿を見せるべきだと思いました。

決断するうえで考えるべきこと

これらのメリット、デメリットを天秤にかけたうえで、自分と自分を支えてくれる人としっかり話し合って、浪人するか決めてほしいと思います。

ただ、1つ忘れないでほしいことは大学がゴールじゃないということです。

もし浪人して、大学に落ちてしまっても、その悔しさをバネに次のステージで頑張った人の方が幸せになれるし、浪人して大学に受かっても、そこがゴールだと思ってのらりくらり大学生活を送った人は、難関大学だろうが、就活になって後悔します。

常に自分はどうなりたいか、という意志を持って、自分の人生を歩んで、苦悩を抱え埋もれている皆さんが幸せになってくれることを切に願います。