三浪の忘れ物サミット

世の中の忘れそうな、わざわざ考えるほどじゃないことだけ真剣に考える

コード進行が分かると好きな曲でニヤニヤできる(初心者向け)

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コード進行分かると音楽が3倍楽しくなる

始めに

コード進行について知ってしまうと、音楽が3倍面白くなり、普通の進行じゃ満足できない体に開発される。

このコード進行と雑学を少しでも知ってもらい音楽を更に楽しんでもらえれば、あわよくば作曲始めてみてはと、今回は沼の入り口を音楽未経験者向けに難しい知識を避けて紹介したい。

分かるとこ、興味ないとこは飛ばして読んでね。

コードの重要性

コード進行とは、普段聴いている曲に一本通る線路みたいなもの。

3つや4つ以上の音の和音、コードの流れで曲の骨組みは構成されている。

多くの人は曲の印象を決めるのはメロディと思うだろうが、

8割くらいコード進行が雰囲気を作っているしコードから作る人もいる。ジャズ理論からすればメロディの組み立て方も死ぬほど大事だけど。

ちなワンノートサンバという音程1つだけのジャズもコード進行とリズムで雰囲気出してる(浅い知識)

ギター初心者はFが難しいというが、あれがコード。

あれの奥深さに高校の頃魅入られてしまい作編曲というものから抜け出せず、社会人に向け今も息継ぎできずいる。

「普段聴いている音楽はこんな設計だったのか!」と何か種明かしを紐解いてるようで楽しいのだ。

誰しもそんな経験あるはず。

エヴァの背景設定を知り始めた時、その奥深さ(受け手が勝手に考察してるだけかもしれないけど)に感動して没頭したことのある人も多いはず。

コードの世界も同じだ。

コード進行を見れば作者の意図が読めたり、読み過ぎて作者を超えた勘違いで感動することもよくある。

きっと演劇や、映画・映像、絵画、アニメ、建築、工芸、いちご大福、世の中には底無し沼に入った人間にしか分からない妙が沢山眠ってる。そう思うと人生楽しくなる。

1回じゃ真髄まで届かないので好評であれば続編書きます。最終的にどんな曲が分析できるようになるかはツイッターでアンケでも取ろうかと。

基本パーツ(音楽的知識)

皆が聴く1曲のコード進行に使用されるパーツ、コードは基本7つ

キーがC(ドレミファソラシドが心地良い、出発点がドのキー)ならこんな感じ。ダイアトニックコードともいう。初期メンバー。

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このようにCDEFGABというド~シまでの7つの音符を♯や♭無しに3つ積んでいく繰り返し。

このコードの書き方の違いは、半音ずつで数えた時の、音の積まれ方の違いで変わってる。

mの有無は、各コードの真ん中の音符が一番低音(根音)からの距離で半音4つ分なら無記、3つならmになってる。

例えばコードCは真ん中の音符(第三音という)はミだから根音のドからド#、レ、レ#、ミで距離4(長三度)なのでC(メジャーコード)
一方でDmは真ん中がファだからレからレ#、ミ、ファで距離3(短三度)なのでDm(マイナーコード)

この積み方の違いで、聴こえ方が途端に変わる。

メジャーコードは明るく楽しく、故にたまにサイコパス。

マイナーコードは暗く悲しく、絶望感。中島みゆき。

Bmだけ♭5と書くのは、3つ目の音までの距離がシ~ファだけ他のコードより半音少ない(シドとミファで2つも黒鍵ない)から。BdimやBm-5と書くこともある。他のコードはド~ソと同じように半音7つ分の距離が普通なので無記になってる。

♭5はシンプルにキモい。第三音は基本マイナーなので暗キモい。使い方としては途中に一瞬使用することでスパイスにする。キングヌーもちょいキモいから皆好きなのだろう。多分そういうこと。

ちなみに今回触れないが、各キーで1、6つ目のコード、これでいうCとAmに当たるコードは安定感・着地感がある。こいつら不在だと曲は崩壊する。

三和音の曲

WANIMAとあいみょん

偏見で選ぶとWANIMAはもうこれだけで説明できる気が、と調べたら本当にそうだった。

「ともに」をキー6下げにすると最初のサビはC、F、G、Amだけだ。(途中あるG/BはオンコードといってB音を一番下に持ってきてるけど構成音はソシレでGと同じ)
www.ufret.jp

マリーゴールドもほぼ同じコードだけで弾ける。
www.ufret.jp

補足すると、コードが単純だから悪いというわけではない。WANIMAたちには直球で気持ちを届けたいという意図があって、あえて簡単なコードを選択している。はず。多分あいみょんがリスペクトするスピッツも。

米津玄師

米津もグルーヴ(リズムの印象)で個性出してるので、バランス取るようにコードは基本シンプルにしてキャッチーさ重視してる印象。

ちな、さっき言ったdimコードが入ってる。キモさでアクセント出すのは米津あるあるだと思う。皆の連想する曲もどこかしらキモいのでは。

米津に関しては分析楽しそうだし、2019年レコチョクTOP10中5曲米津の時点でもはやJPOPのトレンド=米津の傾向なので今度記事書いてみる。
www.ufret.jp

最近のサイトはキーを指定して表記いじれるようになってるので、好きな曲でキーをCとかにして見ると幸せになれる(重要)

実際は下のようにどのキーでも出発点が違うだけでコードの積み方・役割は同じのまま移調していく。

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キーC#とDの基本コード

四和音の登場

ただ、世の中に音楽が溢れ大衆の耳も肥えてるので、3音しか積まれない単純な響きだと秒で飽きられつまらなく聴こえてしまう。

ということで、四和音。

多分クラシックも同じ流れで、ジャジャジャジャーンみたいな分かりやすい直球の感情表現を好まないドビュッシーとかが複雑な音の積み方し始めたような。その後もガーシュインからジャズへの流れとか。

クラシック全く知らないけど。

ということでエヴァと同じく、複雑にすることでそれっぽく見せたり、色んな葛藤入り混じる心を表現すべく四和音が使用されたりする。

偏見だけど椎名林檎から四和音を抜いたら、果汁1mlも残らないと思う。

四和音の音楽的知識

その時の基本コードがこれ↓
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さっきまでの三和音の一番上に1つ積んだだけ。違いはMの表記くらい。

CM7でいうとドレミファソラシ、でシは7つ目なので7と書かれ、7を含む四和音をセブンスコードという(シーメジャーセブンスコード)

以下ややこしいので興味ない人はスルーしていいが、7も根音からの距離がC,Fと、D,E,G,A,Bで違う。

前者は半音10個(長七度)、後者は半音9個(短七度)になってる。

幸い元々メジャーコードだったCFが半音10個なので、7の書き方で区別しなくてもメジャーコードなら自動的にM7と書き直しマイナーコードなら自動的にm7と書けば終わり、なんだが、

メジャーコードGだけは第三音的にメジャーコードなのだけど7との距離はマイナーセブンスコードと同じ、というどっちつかずなのでG7と書いてる。これは納得するしかない。ドミナントセブンスコードという。

響きは、 M7(メジャーセブン)は淡い明るさ。底無しの明るさに少し複雑さが加わり、人によってはオシャレに聴こえる。3和音が爽やかイケメンならメジャーセブンは物憂げイケメン(実際CM7は和音内にEmを含むので物憂げに聴こえる人おる)。

m7(マイナーセブン)は淡い暗さ。少し複雑で、本当は心で泣いてるんだろ?て感じ。メンヘラに近い。

ドミナントセブンスコードはどっちつかずな成り立ちが響きにも表れ、不安定さの塊。早くマイナーかメジャーに着地したい。貢がせるホストが釣るだけ釣って本番はしない状況と同じ。個人的にこのドミナントセブンの不安定さ、欲求の源泉がJPOPの肝だと思うので忘れないでほしい。ここからAm7とかに着地、落とされると文字通りリスナーも落ちる。

さて、最後にもう1つイレギュラーを知るだけで、多くのJPOPがひとまず楽しめると思います。

JPOPは文字通りドミナントに支配されてる

ここで、難解な音楽知識飛ばして先にいうと、あろうことかJPOPでは、Em7のとこやCM7・Am7、場合によってはDm7・FM7・Bm7♭5をも、どっちつかずなE7のようにドミナントセブンスコード、ホスト状態にするという無慈悲なことをしまくってるのだ。

そりゃ好きになってしまう。これだけ理解して自分の好きな曲聴いても、楽しめると思う。あなたの好きなアーティストがあえてドミナントセブンを使い、あなたのことを揺さぶり落としにかかってるのがよく分かるのだ。

椎名林檎の沼の入り口

例えば丸の内サディスティック。今まで生きてきてこれ嫌いな人見たことない。
www.ufret.jp

FM7→E7→Am7→C7

Em7を不安定なE7にすることでその次のAm7への行きたさと行った時の着地感、満足感が高くなる。そのうえ、CまでC7にすることで、またFM7へ行きたくさせるという無限ループ。まじでホスト狂い。

このホスト狂いをごり「リスペクト」するアーティストもいる。
www.ufret.jp

キーを-9に設定するとほぼ同じサビになる。C7にしてないだけまだ良心的だが。

キングヌーの沼の入り口

先述のキングヌーの白日も見ておく。
music.j-total.net

もう初っ端から笑ってしまうだろう。先述のBm♭5に7を加えたBm7♭5、シンプルにキモいコードを秒で使い、と思えばホストのE7で釣り、Amに着地させ落としてる。

ちなみにこれが中島みゆきなら宙船のイントロギターのようにAmから始めて暗い雰囲気を印象付けたと思うが、キングヌーはその後十分暗くなることを踏まえてギャップ・落差を求め、あえてCから始めることで、古臭いしつこい暗さを嫌ってる(と考えすぎることができる)。

これが、千鳥ノブがごちで例えたような「キングヌーの歌い出しくらい繊細」を生んでると思われる。

一瞬で次の曲へ飛ばされるストリーミングの時代に開始数秒でこれだけ詰めればそりゃ売れる。あざとキモい。直後にもdimコード入れてるし。

最後に

どうだろう。入り口として楽しんでもらえたら嬉しいが一人で走ってる感ある。本当はもっと沼があるので引きずりこみたい。

次回あるとすれば、今回すっ飛ばしたトニック、サブドミナント、ドミナントなどの各コードの役割について触れないと、

作曲者の意図が読み切れずモヤモヤしてこのブログ自体がドミナントセブンスコードみたいになるので書こうと思う。

ついでに最近作った曲もグチャグチャコード進行の例として載せときます。テンション、借用和音、変態オンコードまみれなので解説するにはもっと予備知識必要ですが。。。

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