三浪の忘れ物サミット

世の中の忘れそうな、わざわざ考えるほどじゃないことだけ真剣に考える

優柔不断、決断力のない人の思考を知ってほしい話

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つい最近自分がどれほど決断力ないか如実に露呈するイベントが発生したので書きなぐる。
何回浪人しても第一志望に受からなかった原因がわかった気がする

エネルギー君について

一昨日僕は、夜な夜な「エネルギー君」とマックで語ることになった。
もちろん仮称です。

先に彼について軽く説明すると、半径5メートル以内に近づいた陰キャの体が勝手に土下座の動作を始めてしまうような、眩しい、アツい、コミュ力とキャパと行動力に満ち溢れた僕の知る人間で一番スーパー人間。早稲田の中でも3本指に入る有名人。

多分もう少し昔に生まれてたらインカ帝国とかで王様やってたと思う。そんな人。

そんな彼と僕のような自宅浪人三年間、もう少し昔に生まれていても高床式倉庫で引きこもってたような池田がなぜ彼の貴重な時間を割いてマックで語っていたのか疑問に思う人も多いはず。

仮にこの世界の全人類を土下座する側とさせる側にセグメント分けて土下座合戦するとしたら明らかに池田は前者に振り分けられると、僕に近しい人なら何となく回答すると思う、僕もそう思う。

なんだっけ。

マック注文選手権

とりあえず、急遽、夜な夜な西早稲田のマックで語ることになった僕らは談笑しながら店内に入った。

そこで僕は目を見張る。

メニューちゃんと見た?!という速度で彼はマックシェイクのSサイズを注文したのだ。

にわかには信じがたい。

マックのメニューの数をご存知だろうか。ウィキペディアで検索すると無数のメニューが並び、そのうえカスタマイズも含めればそのパターンは実に1124とかいう時期もあったらしい。

そんな中で彼はわずか3秒で注文するメニューの決定にまで持ち込んだ。スパコンかな。

僕はひどい劣等感に苛まれた。

本当に尊敬する。池田がファミチキむしゃむしゃしてる間に気づけばヨーロッパいるような男。決断、行動、勢い、ポジティブ、ちょうど池田に無いもの全てを下呂温泉みたく垂れ流している。

ひょっとして池田はエネルギー君が不要だと思って分離、ポイした片割れなのでは。ピッコロ的な。ヌケニン的な。

話が逸れた(元々話など無いが)

ここからは、そのヌケニンの話。行動力がなく、かつクッソ優柔不断という最凶の持病を併発した人間が、どんな思考をしているのかマックのメニューを例に健常者の皆さんに知っていただきたい。

決断力のない人の考え方

まず僕の頭はメニューを決めることをやめた(この時点で意味がわからない)

そして、どうやってエネルギー君は3秒でメニューを選んだのだろうという思考に入った。

目についたメニューでいいやと、決め方自体を決めていたのか?

それとも、マックに行ったらマックシェイクしか頼まないタイプの人なのか?(そんなタイプはこの世にいない)

ひょっとして昨日寝る前にもう明日はマックシェイクの日って決めていたのか?可愛い。

あらゆる方向性から、偏差値2の仮説が乱立しては消えていく。

そして数十秒時は流れただろうか。僕は迷ってるふりをしながら自分の世界に入っていることに気づいた。これが僕の特徴だ。

必殺悩んでるふり。

心がのんびりしたがっているんだ。常人には理解できないだろう。有限の時間を最小限に使って、今日何をするか光の速さで決定し、実行量で楽しんでいる人達と違って、決断力のない人は、その決断までの考えている過程自体をぬくぬくと楽しんでしまうのだ。

やべ、エネルギー君待たせてる。

我に返った僕は、まずどうやって決めるかという決め方自体を決めることに悩み出す。もうどうしようもない。

最近マック行ってなかったし、なんかバーガー食べようか、でもエネルギー君シェイクだし、池田食べるの遅いし、youtube出た時ポッキー1本食べただけで「食べるの遅い」とダメ出しコメントもらうくらい遅いし、すぐ食べられるものにしよう。

と、ここで優柔不断は、全くお呼びでない可能性にまで思考が及ぶ。

「(エネルギー君は飲み語りしたいのでは?)」

頭がおかしい。どこの世界にシェイクで飲み語りする部族がいるのだろうか。いや、わんちゃんいそうで怖いけど、少なくともエネルギー君は違う。馬場のバーでなんかすごいカタカナいっぱい詰め込んだオシャレカクテル片手に他の早稲田で有名なイケメンと飲んでた気がする。2人ともカッコいい。僕もそんな大学生に憧れていたはず。どこでこうなった。

まぁそんなわけで、飲み語りしたいならマックじゃないはず。

そこまで思索にふけって、ようやく僕は「軽く食べられるもの」という軸に決まる。

ここで、僕は自分に甘いため思考が一休みを始める。よく軸を決められた。とか思ってたに違いない。ずっと休んでるに等しいよ君。

一方で、景気のキチンの波のようにポジティブの周期はすぐネガティブに変わり、一体エネルギー君と僕の間でこれほどの差がどこで生まれたのだろうと劣等感に苛まれる。

2浪のエネルギー君(彼も2浪早稲田生)と3浪の池田とあまりに残酷なほどに決断力の差が生まれている。3浪目に半年ほど家から出ず靴の履き方すら忘れたあの日々が原因だったのだろうか。

なんで彼はそんなにアツいんだ!そもそもなんだエネルギー君って!ネーミングセンスどこ行った!

そうして、天を仰いだ僕はニコニコする店員さんと目が合う。

しまった。完全に御社の存在を忘れていた。

やばいよ御社めっちゃニコニコしてる。スマイル頼んでないよ。

決着のとき

慌てて(ここでやっと慌てる)、メニューに書かれた軽く食べられるものを探すのだが、反射神経も動体視力も鈍っているため、あのグチャグチャしたメニュー、ニコニコして待ってくれてる店員、横にはあのエネルギー(もはや呼び捨て)、という三位一体にアタフタしまくる僕。

そして、

結局考えるのをやめた。

そう、ここまで考えに考えた挙句、考えることをやめたのだ。

もう意味がわからない。

そして、頭にポン、と思いついた知ってるメニューを頭弱そうに口頭で発する。

「ポテトSサイズくださァい」

どうだろう。これが、三年間部屋にいて決断力が鈍り、優柔不断、あらゆるステークホルダーに考慮しようとアワアワし、決めることにコミットできなくなった人の顛末である。

エネルギー君は僕がこんなこと思っていたなんてきっと気づいていないだろう。

次マック行った時はシェイク注文することに今もう決めた。

終わり。