三浪の忘れ物サミット

世の中の忘れそうな、わざわざ考えるほどじゃないことだけ真剣に考える

抗議する三浪「我々から言い訳を奪うな」

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昨今、私立の医大を皮切りに様々な大学入試で多浪の点数が意図的に減点されていた事実が明らかになっている。

「合格を信じ浪人してきた子ども達の可能性を大人が不当に潰すなんて」


テレビ、ネットなどでは多くの有識者やコメンテーターが非難し、未だかつてないほど多浪が日の目を浴びている。

当の多浪達は今、何を思うのか。

そんな折、都内F欄私立大学に通う文系三浪は、匿名を条件に本紙の取材に答え、胸中を語った。

有識者もコメンテーターも我々の何を知っているのか。

お家で何年も何年も若さをドブに捨て、ハイリスクな自己投資をしてまでも鬱屈した人生を変えようともがき、孤独に震えアイデンティティも何もかも消失していく日々を解説者達は経験したことがあるのか。そして、そのうえで描いた大学に行く夢は叶わず、さながら浦島太郎の気持ちで同い年も皆無な大学生活を送るはめになった多浪達の気持ちを考えたことがあるのか。

はっきり言って、多浪達は自分達が減点されうることなど元より理解している。だからこそ落ちた時、そのブラックボックスのせいだと、得点調整がきっとかかっているから仕方ないのだと、この惨憺たる人生への言い訳、良い訳にして、下を向きながらも前へ歩き出すことができるのだ。

もし、本当か嘘か、各大学が多浪への差別はないと断言し始めてしまったら、これからの多浪達は落ちてしまった時、何を良い訳に多浪として、鈍色の学生生活を送ればいいのだろうか。どれほど頑張っても自分は人並みにすら這い上がることができない人生なのだと、自身の無力さを全て受け止めるのにどれだけの時間と絶望がかかるのだろうか。開けなくていいブラックボックスも世の中には社会価値としてあったのではないか。」

彼が一体何を言っているのか、私には3分の1も伝わらなかったが、彼の目はたしかによどみきっていた。

その夜、私は夏祭りに行き、景品がついている紐を選ぶ祭りくじを引いた。

1つも当たらなかったが、仕方ないだろう。

えてして祭りくじの紐のその先には、景品など1つもついていないというのが暗黙の了解である。損しても納得というものだ。


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